2017年06月19日

ねじまき男と機械の心 他

「ねじまき男と機械の心 上下」
「月の山脈と世界の終わり 上下」
 マーク・ホダー著 創元海外SF叢書刊

「バネ足ジャックと時空の罠」の続編。
3部作で一応終わって、以後、シリーズ化してるそうだ。

1作目よりさらにスチームパンクの機械や動物が出てきて、面白い。
メッセージを届けてくれる犬は、とにかく走ってないと落ち着かないので、回し車つきの犬舎にいる描写があったりvv(ハムスターかvv)

しかし、このラストはvvv
後味悪すぎるだろvv
助手の赤毛の人と、伝言インコが幸せそうなのはいいんだけど。
助手の赤毛の人は、ちょっとうらやましい気がする。
ああいう生き方もありだなあ。
posted by ちー at 00:54| SF | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月07日

なぜ皮膚はかゆくなるのか

「なぜ皮膚はかゆくなるのか」
 菊池新著 PHP新書刊

かゆいとはなんなのか、説明せよ、と言われてもできないことに気づいた。
本書によると、掻きたくなるのがかゆいということ、皮膚についた虫などは病原菌を運ぶことがあるので、それを除こうとする感覚がかゆみということらしい。

そして本書を読んでいるあいだ、とってもかゆかった。
やたら、顔とか体のあちこちをかいていた。
なんでも、かゆいものを見ただけでかゆくなるらいしい。
かゆみには、外的刺激だけでなく、精神的なものも多いらしい。
うん、わかる。
実体験した。

かゆみを与えるのは最大の刑罰というのが、昔の中国にあったなあと思いだした。
本書によると、かゆいのをかくと、快感が得られるそうだ。
しかし、かくという行為は、痛みを与えることなので、痛みでかゆみをごまかしているだけ、そして、かいたことで傷ついた皮膚が、かゆみの終わりなきサイクルに入ってしまうそうだ。
確かに、これは刑罰になる。
かゆいけどかけないって、発狂しそうになるもんなvv
かゆみって痛みに比べて軽く考えられがちだけど、精神的なものに作用するので、痛みより悪影響を及ぼすことがあるもの。

著者は皮膚科医なのだが、皮膚科医って、どーも医者のヒエラルキーで下に見られがちなんだが、かゆみと闘うという点で、患者にはすっごいありがたい存在だ。
確かに明日死んじゃうわけじゃないけど、ものすごくストレスを感じるのが、かゆみだもんな。
posted by ちー at 00:13| 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月01日

ブレイクの隣人

「ブレイクの隣人」
 トレイシー・シュヴァリエ著 柏書房刊

これは今いち。
展開が遅くてダラダラしてる。

フランス革命の同時代のイギリスが舞台なのだが、私がこの時代のイギリス庶民に興味がないのもいけない、が、そこに興味を持たせちゃうくらいの面白い小説じゃなかった。
庶民なんで、できることが限られるし、あれこれ行動させるのが難しいというのはあるけど、それはそういう設定を選んだ時点でわかることだし、それで面白い小説を書けなかったのは作者の見込みが甘かったとしか言いようがないような。
生活がいきいきと描かれているのはいいのだが、ほんとに興味が持てなかったんだよ、あのキャラたちには。
posted by ちー at 00:10| 歴史小説(洋) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月27日

卑弥呼は何を食べていたか

「卑弥呼は何を食べていたか」
 廣野卓著 新潮新書刊

縄文人は牡蠣を養殖してたそうだ。
栗の品種を選別して特定のものだけ育てたりもしてたそうだ。
結構、いいものを食べていたみたい。
つまり、昔から日本人は食いしん坊ってことなのか。
posted by ちー at 06:06| 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月19日

真珠の耳飾りの少女

「真珠の耳飾りの少女」
 トレイシー・シュヴァリエ著 白水社刊

著者の出世作、映画化もされたそう。
同タイトルの絵画から創られたお話。

うん、確かによくできてる。
当時のオランダの生活感が出てるし、実在の人物と創造された人物がまじりあって、いい感じ。
posted by ちー at 23:59| 歴史小説(洋) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月16日

ドラゴンの塔

「ドラゴンの塔 上下」
 ナオミ・ノヴィク著 静山社刊

しまった、「テメレア戦記」の作者だったv
図書館で借りたあとに気づいた。
「テメレア」は竜が動く軍艦扱いされているのが嫌で、シリーズの途中で放棄。
何かと不満だったのだ。

だが、本書はよかった。
ドラゴンとタイトルに入っているが、竜は出てこない。
竜はひどい目に遭わない。
単に、魔法使いが、魔法使い名として「ドラゴン」を名乗ってるだけだった。
じゃ、いいや。
posted by ちー at 23:23| ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月10日

貴婦人と一角獣

「貴婦人と一角獣」
 トレイシー・シュヴァリエ著 白水uブックス刊

有名なタペストリーから発想されたお話。
このタペストリーは美術書か何かで写真を見たことがあるし、本書の巻頭に写真が載っている。
タペストリーの原画を描いた画家、タペストリーを織った工房の人たち、などなどの群像劇。
きれいにまとまってる。
posted by ちー at 21:42| 歴史小説(洋) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月08日

日の名残り

「日の名残り」
 カズオ・イシグロ著 中央公論社刊

五歳から父親の仕事の関係でイギリスにわたり、イギリスで教育を受け、何十年も日本に帰国してなかったため、日本人というよりイギリス人として育った著者(当時イギリスに日本コミュニティーがなかったため、両親以外の周囲はみなイギリス人という環境)。
今はイギリス国籍を取っている。

そんな著者の、イギリス執事が主人公の本。
「召使いたちの大英帝国」で紹介されていたので、読んでみた。

執事の一人称で語られるので、あまりに丁寧な口調に、ギャグか!とすら思える。
第一次大戦から第二次大戦後あたりまで、一人の主人に仕え、その主人が亡くなると、屋敷を購入したアメリカ人にそのまま雇われたのだが、アメリカ人の主人とうまくつきあえず、どうしたらアメリカ人の求めるジョークを言えるようになるんだろうか、と悩む。
練習しよう、努力すればいつかは面白いジョークが言えるようになるはず、と真面目に努力するのだった。
ええ、ギャグですね。
彼はどこまでも真面目なんだが。

イギリスの文学賞を受賞した本書、外国人が書いたイギリス礼賛の内容は、イギリス人、喜んだろうなー。
posted by ちー at 01:02| 歴史小説(洋) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月01日

黒いスイス

「黒いスイス」
 福原直樹著 新潮新書刊

うん、スイスは黒いと思う。
観光立国なんで、雄大なアルプス、とんがり屋根のおうち、永世中立国、とか、イメージはすっごくいいのだが、実は黒い。

そもそも、スイスのイメージがこれだけいいのは、「アルプスの少女ハイジ」のおかげって部分がすっごくあると思う。
スイスはスピリ(原作者)と日本アニメーション(アニメ制作)と、カルピス(アニメスポンサー)に勲章を出してもいいくらいだ。
世界中で放映されて、40代以下で、自宅にテレビがあった人ならほぼ全員が見たことがある、知っている、と思う。
でも、スイスでは「山の暮らしを美化して描きすぎている」という理由で放映されてこなかったらしい。
原作者がドイツ人というのもあったらしい。
でもでも、イタリア、フランス、ドイツなどの電波が飛んでくるので、スイス国内でも普通に見てたらしい。

スイスの黒さを知ったのは、日本人のスイス滞在記を読んだことがあるからだが、列車事故で日本人がたくさん亡くなったときに、運転手個人の責任と言い張って、鉄道会社がろくな賠償をしなかったこともある。
確か、日本人だけ極端に扱いが悪かった記憶がある。
当時、日本人観光客はスイスの上得意だったのに。
やっぱり人種差別がキツイなあと思った。
女性参政権もずっとなかったし。

牧草が育てられないので、牛も羊も飼えない、雑草でもなんでもOKの悪食のヤギしか飼えない、男は出稼ぎをするしかない、山の寒村の寄せ集めがスイスという国になった、という感じ。
だから、男女差別は激しい、よそ者にはキツくあたる、閉鎖的、というのを20世紀いっぱいいっぱいまで続けてきたため、21世紀になったからといって、急にリベラルにはなれないよ、と。
ヨーロッパの○キタ県みたいなイメージかなあ。
(○キタの人、ごめん! でもよそ者の医者をいじめて追い出すエピソードとか、スイスでもありそうなんだもの)
個人個人にはいい人も多いが、スイスという集団になったときは、自国の利益を守るためにという言い訳で、どんな悪辣な手段でも正当化して使う感じ。

さて、本書。
著者は新聞記者としてスイスに6年住んだそう。

ロマ(ジプシー)の子供を誘拐してきて、「まともな家庭」で、「まともな生活」を送らせるということで、実際には養親家庭で働き手として搾取されてたとか、オーストラリアのアボリジニ政策と一緒vvvvv
どーして白人は、こうも同じ過ちをするのかvvvvv
コワイよ、あんたたちvv

永世中立国という立場を守るために、ナチスに協力を惜しまないよ、ユダヤ人がどういう扱いを受けようと知らんよ、核兵器を持つよ、コソボ難民なんか知らんよ、とかvv
黒い。
黒すぎる。
ここまで黒いと、むしろあっぱれ。
いや、スイスに観光する気には到底なれないが。

日本もこのくらい黒くならないと、国際社会で生き残っていけないんだろうけど、こんな黒い状態で生き延びるくらいなら、白いまま滅びていいや、とか。
いや、私ら黄色いんだけどね。
黄色んだけど、白いんだけどね。
posted by ちー at 01:11| ドキュメンタリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月27日

召使いたちの大英帝国

「召使いたちの大英帝国」
 小林章夫著 洋泉社刊

ヴィクトリア時代のイギリスに、133万人もいた召使いたちについて。

ドラマ「ダウントンアビー」のシーズン1をちょこっと見たのだが、たくさんの使用人たちの人間模様とかもドラマの一部だったなあ、と本書。
ドラマを見る前に読んでおいたら、基礎知識があってよかったかもしれない。
posted by ちー at 23:54| 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする