2017年12月07日

獣たちの庭園

「獣たちの庭園」
 ジェフリー・ディーヴァー著 文春文庫刊

第二次大戦前、ベルリンオリンピックに参加するアメリカ選手団に記者が一人同行していた。
実は彼は殺し屋、アメリカ要人に雇われて、ナチスの重要メンバーの一人を公衆の面前で殺すよう依頼されていた。

最初は読みにくく感じたし、もし「クリスマスプレゼント」を先に読んでいなかったら、途中でやめたかもしれない。
でも「クリスマスプレゼント」の作者が面白くないものを書くとは思えなかったので、信じて読み続けていると面白くなってきた。
裏切られたり、どんでん返しがあったり、ハラハラしながら読み進めて、ラストは、ああ、なのかvv
意外だけど、それはそれでいいのかv
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2017年11月30日

千の輝く太陽

「千の輝く太陽」
 カーレド・ホッセイニ著 早川書房刊

アフガニスタン出身で、15歳のときアメリカに亡命した著者による、アフガニスタン女性の物語。
王制廃止、ソ連侵攻、内戦、タリバン支配と動く歴史の中の女性二人が出会う。
最後の一文で泣かされた。

アフガニスタンは死が身近にある期間が長い。
革命から始まる国の困難で、家族や友人を亡くしていない人がいないという異常な情況が怖い。
あまりに死に慣れてしまっている。

そんな状況なのに、女性は教育も仕事も与えられていない、爪も牙も抜かれて、抵抗する術をもっていない。
ただただ虐げられ、耐えるしかない。
イスラムでは女性は男性の保護を受けているからいいのだ、というのだが、まともな男性と暮している女性はいいとして(一夫多妻も、妻数人で家事育児を分担するからラク、とか、貧乏な男の唯一の妻より、裕福な男の第四婦人になった方が金銭的に困らないし、子供を死なせずに育てられるという意見もある)、良識のない男性のもとにいる女性は全く救われない。
イスラム圏って、女性の人権は、男性の気分次第なんだよな。
男性の道徳頼みで、でも道徳をきちんと守る人ばかりではないので、法的な女性保護とか、それを男性が怠った場合の罰則とかが必要なのに、ない。
そもそも、コーランに書いてあることを全てきちんと守っている男性はほとんどいないのに、コーランをたてに女性の生きる術を奪っているのはどうなのか。
男は戒律を守らなくても、なあなあですまされるのに、女は許されない、ダブルスタンダード。

国の混乱状態に、何も抵抗できないとは、アフガニスタンの女性は辛すぎる。
先に読んだ闘う日本の女性兵士みたいな選択肢がまるでない。
こんな状況なら女性だって闘うしかない。
なのに闘うことを責められるとは。

本書のような小説を、イスラム女性自身は書けない。
アフガニスタンの女性小説家が、アフガニスタン国内で、出る日が来るといいのだが。

ところで、アフガニスタンは東日本大震災の時に、(確か)約三千万円を出してくれた。
物価の違いを考えると、アフガニスタンにとって、とんでもない額だ。
正直に言うと、同じ三千万でもアフガニスタンで使った方がはるかに有意義になるんじゃないかと思ったが、「我々は貧乏だが、日本を思う気持ちとして出したい」とのことだった。
日本はずっとアフガニスタンを支援してくれた、その返礼なのだ、と。
少し前だが、日本の江戸時代の治水技術を使って、アフガニスタンの労働力で、戦禍で荒れ、砂漠化した土地に10年かけて緑を取り戻した話が、ガンベリ砂漠の奇跡として世界に伝えられていた。
江戸時代の技術なので重機が必要なく、現地アフガニスタンの人々を雇うことで失業対策になり、自分たちで作ったものは大切にする、メンテナンスができるという余録もついて(もちろん、治水のおかげで、農業ができるようになり、難民たちが帰ってきた)、日本の民間団体の支援が称賛されていた。
日本とアフガニスタンとの間に、善意の循環が続くといいと思う。
posted by ちー at 23:21| 外国文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月28日

クリスマスプレゼント

「クリスマスプレゼント」
 ジェフリー・ディーヴァー著 文春文庫刊

短編集。
きちんとしたミステリーの、短編集。
ヒントがちゃんとちりばめられていて、謎解きの楽しさがちゃんとある。
正統派のミステリーで面白かった。
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2017年11月21日

雑兵たちの戦場

「雑兵たちの戦場 中世の傭兵と奴隷狩り」
 藤木久志著 朝日選書刊

戦国時代は、度重なる天災で、食うに困った農民が出稼ぎとして傭兵になった、給金をあてにするより、戦場での略奪が目的だった。
上杉軍があきらかに農閑期にばかり戦をしてて、もう、そうとしか思えない、と。
他の軍も、専業の兵をたくさん雇うお金はないので、臨時雇いの農民が集めやすい農閑期に戦をするしかないとv
そういや、元寇がなんで台風の時期だったかというと、遊牧民がヒマになる時期がそこしかなかったから(春は家畜の出産ラッシュ、夏は放牧に出て家畜を太らせるので忙しい、よし、家畜が太った秋だ、食料と一緒に移動しながら、戦争だ!)、という、日本にはラッキーな事情があったっけ。
戦って結局、民草の都合がものを言うんだな。

国盗りなんていうのは、ごくごく一部の人たちの考えで、一般の人々は食うために雇ってくれるところへ行き、待遇がいいところへ移り、というのが実態だったようで、著者は「戦が公共事業」とまで書いている。
なので、天下泰平となったのちは、城だの屋敷だの、造りまくって失業対策をしたとか。

posted by ちー at 22:37| 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月14日

ニンジンでトロイア戦争に勝つ方法

「ニンジンでトロイア戦争に勝つ方法 世界を変えた20の野菜の歴史 上下」
 レベッカ・ラップ著 原書房刊

いや、世界は変えてない。
アメリカだけ。
原題に「世界を変えた」とはないので、これは原書房が悪い。
(原書房への怨恨は後述)

欧米で長く食べられてきた野菜20についてのエピソードあれこれ。
著者がアメリカ人なので、ヨーロッパ(アメリカ建国前)とアメリカのエピソード。

エンドウマメとインゲマメに、それぞれ一章さかれているのが不思議。
日本人にはそこまで重要な野菜じゃないのだが、エンドウマメとインゲマメでヨーロッパの食料がまかなわれていた時代があったのだそうだ。
日本だと重要な豆は、文句なしに大豆だし、もしもう一つあげるとするなら小豆になるかな。
こういうのはやっぱり国による。
あと、セロリとレタス、アルパラガスもあげられているが、これも日本には近代になって入ってきた野菜だから、日本人にとってなじみ深い野菜は、タケノコとかゴボウとかになると思う。
ジャガイモの代わりにサトイモや山芋だろうし。
日本にとっての20の野菜を考えてみたら楽しかった。
多分、大根の章は激しく長くなる。

さて、原書房の本は校正がテキトーなんで、読んでて、なんだかなーと思うことが多々ある。
本書でも、謎の数列が突然文章中に現れ、さっぱり意味がわからなかった箇所があった。
多分、訳者の変換ミスなんだろうが、何を変換したらこんな数列が出てくるのか、本当にナゾ。
こういう本は版を重ねることが少ないのだけど、ミスは重版がかからない限り、訂正されなくて、かといって、原書房のホームページを見に行ったが、訂正を知らせるページもなく、あの数列はナゾのままだ。
とにかく校正がテキトーでミス多発の出版社なんだから、訂正だけを知らせるホームページがあってもいいと思う。
そのくらい、原書房の校正はヒドイ。
もしかして校正をしてないのかも、というくらいヒドイ。
いい本を翻訳してるのに、なんでこんなやっつけ仕事になってしまうのだv
posted by ちー at 22:08| 知識 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月02日

辺境の老騎士

「辺境の老騎士」
 支援BIS著 KADOKAWA刊

「小説家になろう」という投稿サイトで掲載されていたものを書籍化。
なんで、著者名がハンドルネームっぽい。
こういう投稿サイトだと、玉石混交なんだろうなーと、思っていたが、雑誌の書評でお勧めになっていたので、読んでみた。

老境に入った騎士が、死に場所を求めて、それまでは各地の美味珍味を食して、お世話になったレディに手紙を書き送ろうと放浪する。
なので、食レポが多い。
老騎士が旅先の宿屋で食事しながら、脳内であれこれ語ってるもんで、「いいぞいいぞ」とか言ってる食事漫画を思い出したよ。
こういう小説を書いちゃうのって、食いしん坊の日本人のサガなのか。
明らかに銀シャリとさんまの塩焼き、清酒とどぶろくを想定した異世界の食事とか。

そんな、食べ物を語って、風呂に満足の息をつき、名を成した騎士らしく、トラブルを解決したり、襲われて闘ったり、腰痛に苦しみ、右腕があがらんとこぼしたり、短いエピソードを重ねて、話が進むうち、かつて仕えた家が他家に圧力を受け、苦しめられている状況が明らかになってくる。

それにしても、日本人がファンタジーを書くとき、どうしてもやってしまうのが、識字率の高さ。
庶民も当たり前に字が読めることになっている。
でも、学校があるとか、寺子屋があるとか、そういう設定が出てこないので、そんなに識字率が高いわけないのだv
食うに困る人々がわらわら出てくるのに、一般人も字が読める。
江戸時代後期の日本の識字率が70%くらいだったと言われているが、これは当時の世界一。
戦がなく、私学、寺子屋が発達した江戸時代だったからこそできたことで、剣と魔法の備えなしに旅すると、盗賊に襲われて命も装備も奪われるようなファンタジー世界で、読み書きの勉強ができる余裕があるわけがない。

読み書き、計算能力は、特権階級のものだというのが、日本以外の常識。
現代の海外の人たちも、日本に来ると、先端技術が一般市民のために利用されているのにびっくりする。
明治時代に海外から多くの知識が取り入れられたが、翻訳に力を入れて、一般の人も読めるようにした日本では、読み書き計算能力も、先端技術も、市井の人たちのもの。

その点でも、本書は日本らしいファンタジーだと思う。
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2017年10月25日

合戦場の女たち

「合戦場の女たち」
 横山茂彦著 情況新書刊

タイトルを見た時、飯場のことだろうと思ったんですよ。
しかし、違ってた。
マジで、戦ってた女兵士についてだった。

戦国時代の古戦場の首塚を発掘したところ、三分の一が女性だったとかで、合戦には女性も参加していたらしい。
女性の騎馬兵について書かれた古文書とかもあり、現代の人が思うより女性兵士は当たり前にいたらしい。
江戸時代の男尊女卑のために、女性兵士がなかったことになっただけらしい。
今年の大河ドラマの直虎みたいな女性城主は結構いたそう。
江戸時代より前は女性にも相続権があったので、その分義務としての軍務もあったとか。

確かに、戦国時代って秩序が乱れて、小さな村も結束して自警しないと生き残れない時代だったから、女だから守ってもらえるとか甘えたことを言っていたら、殺されるor奴隷に売られるのだし、そりゃ闘う。

上杉謙信女性説は、最初は「ええ?」と思ったけど、現代に伝わっている謙信はもっぱら江戸時代に書かれた小説の中の人で、それらの小説を無視して、実際に謙信が生きていた時代の資料だけを読むと、女性だったとした方が納得がいくことが多いとか説明されると、ありゆるのかなあと。
現代のゲームで色んな戦国武士が女性化されてるのも、あながち間違っていないのかも(笑)
posted by ちー at 22:09| 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月20日

ホロコースト産業

「ホロコースト産業 同胞の苦しみを「売り物」にするユダヤ人エリートたち」
 ノーマン・G・フィンケルスタイン著 三交社刊

「闇の奥」のあとがき解説で紹介されていたので、読んでみた。
(同じ出版社なので、戦略と言えば戦略か)

ユダヤ人が裏でアメリカを動かしているのはよく言われることだが、本書はそうなった過程や、金について書かれている。
ホロコーストを大々的にアピールして、被害者商売でゆすり、大儲けしてる、一部のユダヤ人たち。

そういう人たちを批判するのは、ユダヤ人以外だと差別者だと決めつけられるし、ユダヤ人でなくてはできない雰囲気がすでに出来上がっているのが怖い。
そして、同じユダヤ人に批判されてもちっとも改めないユダヤ人エリートたちvv
こういう人たちが、よりユダヤ人を差別される状況に追い込むのに。
実際、こういう人たちのせいで、ネオナチズムが台頭してきたんだし。
でも、こういう人たちは、自分たちが儲けられれば、ユダヤ人同胞が差別されても気にならないのだ。

第二次大戦後、ホロコーストを生き延びたユダヤ人たちは20年以上沈黙していたのだが、一部のユダヤ人が被害者商売は金になる、と、ホロコーストを宣伝し始めた。
ホロコースト被害者は、年を追うごとに増す。
死んだ数だとか、収容された数だとか、その時々で色んな言い訳をつけて、どんどん増える。
ユダヤ人だけが、だけ、が、ホロコーストの被害者と主張する。
土地を、財産を没収された、返還せよ、現代の価値に換算して金を払えと訴訟を起こす。
訴訟を進める間に、あいつはナチの協力者で差別者で、ヒドイやつだとキャンペーンをはる。
アメリカ政府を動かして圧力をかける。
キャンペーンで叩かれた相手が訴訟に耐えきれず、白旗を上げ、訴訟で得られたはずの額よりはるかに大きな額で、ぼったくりで、示談を成立させる。

なんか、この手法、他の国が模倣してませんか。

ちなみに、被害者数は明らかに水ましされ、収容所は元々ドイツ人障害者が入れられて、殺されたので、ユダヤ人専用に作られたわけでなく、強制労働はまずロマやポーランド人がさせられていたなど、資料を基に反論されているのだが、ユダヤ人ホロコースト被害者団体はそれを全く認めない、被害者として受け取った莫大な金を、団体の活動費として団体役員で分配するばかりで、実際の被害者は医療保険すら入れないほど困窮しているのを放置したまま。
そして、この団体、請求相手は取れそうな、ぼったくれそうな相手に限定していて、アメリカ(被害者ユダヤ人名義の貯金を銀行が没収したまま)相手には一切請求していないのだ。
団体の主張の正当性も、正義もまるでない。

著者の親も被害者なのだが、お金なんてもらえないまま亡くなり、著者はこの団体から圧力を受けて、失職したそう。

ホロコースト映画を作った監督も、この団体からお金もらってるのかなあ、とか思った。
posted by ちー at 23:22| ドキュメンタリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月11日

闇の奥

「闇の奥」
 ジョセフ・コンラッド著 三交社刊

20世紀の大学英文学課で、もっとも教材にされた小説らしい。
著者の自伝的な小説。

欧米列強がアジア、アフリカを植民地支配していた頃、イギリス人船長が仕事を求めてベルギー領のコンゴ川を遡った。

主人公が「ぞっとした」シーンで、そんなことに「ぞっとした」主人公に「ぞっとした」
暗闇の中で、白目だけが浮かんで見える、アフリカの人々を見て、「こんな不気味な連中が同じ人類なんて」と、「ぞっとした」
自分たち白人は文明人で、人類だけど、アフリカの黒人は動物扱い。
でもヨーロッパ人がアフリカ人女性を愛人にしてたりするのだ。

先日、人類学の研究のためにとヨーロッパに渡っていたアイヌの人たちの骨が返還されたというニュースがあったが、その骨が渡った当時は、白人が人類で、それ以外は人類の亜種という考えがあった。
腰回りを覆っているだけのアフリカの人たちは、人類と思いたくなかったのだろう。

以前読んだアフリカの歴史、文化について書いた本で、ベルギーは他のヨーロッパ列強が植民地を持っているときに、持っていなかったので、欲しくて欲しくて、日本を植民地にできないか検討してたとか、第一次大戦で敗戦したドイツからアフリカの植民地をもらうと、ようやく手にした植民地に歓喜、現地で無茶苦茶やらかした、というふうに解釈できる文章だった。
が、本書のあとがき解説によると、第一次大戦以前から、ベルギーはコンゴ川流域を植民地にしていた。
コンゴ川の流れが急なところや、滝があるなどで、船で象牙輸送ができない場所に、鉄道を敷くため、現地住民を滅茶苦茶無慈悲にこき使い、800〜1000万人の死者を出したんだとか。
ドイツ人がユダヤ人に行ったとされるホロコーストの死者が600万人ほどだとされていて、それをはるかに超える殺戮を、ベルギーはアフリカで行ったのだとか。
ベルギーのやったことは当時からヨーロッパで批判にさらされていたのだが、でも、イギリスの植民地支配はきれいな支配で、いいんだよ、とか自分を正当化しながらのものだったので、説得力に欠けた。
ホロコーストが世界的に周知されているのに対して、ベルギーの殺戮は、まったく知られていない。

本書を読むと、ヨーロッパ人がアフリカ人を人間扱いしていないので、牛馬よりひどい扱いで殺しまくったのも、当時としてはなんの疑問も感じない行為だったのだろうと思う。
牛馬なら使役して死んでしまったら食べるとか他の用途にできるが、さすがに同じ形をした生き物を食べるのは抵抗があり、使役以外に使い道がない、牛馬と違ってそこらの村を襲えばいくらでも数は補えるので、死んでも構わないと、酷使した感じ。
銃で撃つと、わらわら逃げるのが面白い、と撃ってみたり。
公園のハトを散らす幼稚園児並みの脳みそで、殺戮を行っているのが怖い。
こんなのが、同じ人類なんて思いたくないよ、私は。
posted by ちー at 23:53| 歴史小説(洋) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月07日

教会領長崎

「教会領長崎 イエズス会と日本」
 安野眞幸著 講談社選書メチエ刊

「教会領って・・・」とタイトルにびっくりして読んでみた。
長崎って、教会領だった時期があったんだ・・・。
長崎周辺を領土にしていた戦国大名の大村氏が寄進した、ということらしい。

イエズス会が日本での布教で、資金はポルトガル王が提供するのが建前になっていたが、貿易で収益を得、長崎を所領してからは、税金収入も得られ、ポルトガル王の負担を軽減させる。
この時点で、長崎の植民都市化を目指していた。
ただし、植民地にするだけの武力は足りない。
長崎付近の大名同士の争いに介入、兵器を都合したりする。

こういう動きに、秀吉から伴天連追放令が出て、長崎は秀吉の手に。
うん、そりゃ、そうなるだろv
九州はキリスト教に改宗した大名がそれなりにいたが、だからといって、伴天連が九州を仕切ってるみたいな態度では、そりゃ秀吉は怒る。

著者によると、教会領は寺社領と同じ感覚のもので、当時はいたって普通のものだったそう。
しかし、力を持ちすぎた寺を信長が焼き払ったあとで、今度は教会が台頭してきたら、教会だって排除される。
でも、伴天連は一神教なので、自分たちが絶対正義で、排除されるなんて考えもしなかったよう。

「長崎は教会領だから、キリスト教徒しか入っちゃダメ!教会が生糸の独占貿易をやるけど、買いに来たかったら、キリスト教徒になること!妻子を伴ったポルトガル人をどんどん入植させたい」
とか、いやもう、日本でナニやってやがるよ#

教義に、利益を求めちゃイカンとありながら、独占貿易をし、殺しちゃイカンとありながら、武器商人になる。
キリスト教って、矛盾だらけで、ほんと不思議。

教義も聖書も矛盾だらけで、日本人に指摘されて、布教がちっとも進まない、とザビエルが手紙で泣き言を書いていたのは有名な話だが、だからこそ彼は、上から目線でなく、宣教師が日本に歩み寄って布教をしなくては、という方針だったらしい。
しかし、彼の後継の人たちが、武力で脅して無理矢理布教、という方針になってしまい、でも武力の後ろ盾が足りなかったのもあって、実現できなかった。
(武力による無理矢理の布教ってとこが、すでに宗教として間違ってる・・・)
そんなわけで、武力で脅しにくる、宗教と貿易がワンセットのポルトガルはいらん、オランダと貿易だけする、と日本がなってしまったのだった。

正直、ポルトガルの武力が不足しててよかった。
今も長崎で、公用語がポルトガル語になってたかもしれんって考えると怖すぎるvv
posted by ちー at 09:25| 歴史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする